※本記事は2026年9月時点の情報にもとづいています。制度は変更される場合があるため、実際の飛行・申請にあたっては必ず国土交通省の最新情報をご確認ください。
ドローンで事故を起こしても、罰金や懲役までは科されないと考えている人は少なくありません。実際には、教則に「刑事責任」「民事責任」「行政処分」の3つが明記されています。この記事では、教則の記載をもとに、操縦者が負う法的責任と、事故が起きたときの対応・通報先・保険の考え方を解説します。
事故を起こしたときに操縦者が負う「法的責任」とは
衝突や墜落などの事故を起こした場合、操縦者は「刑事責任」「民事責任」を負うことがあります。また「行政処分」を受けることもあります。
この3つは、性質が異なります。刑事責任は国から科される罰です。民事責任は被害者への賠償です。行政処分は、技能証明などの資格に対する処分です。事故の内容によっては、3つが同時に問われることもあります。
刑事責任・民事責任・行政処分の内容
教則が挙げている3種類の責任を、表に整理しました。
| 責任の種類 | 内容 |
|---|---|
| 刑事責任 | 衝突や墜落により死傷者が発生した場合、事故の内容により「業務上過失致死傷」などの刑事責任(懲役、罰金等)を負う場合がある |
| 民事責任 | 被害者に対して、民法に基づく「損害賠償責任」を負う場合がある |
| 行政処分等 | 航空法違反や、飛行させるに当たり非行又は重大な過失があった場合、①技能証明の効力の取消 ②技能証明の効力の停止(1年・6月・3月のいずれか) ③文書警告 ④口頭注意、のいずれかの対象になる |
一次資料には、懲役の年数や罰金の金額など、刑事責任の具体的な数字は明記されていません。事故の内容によって適用される法令が異なるため、個別の事案ごとに判断されます。
事故を起こしたら、まず人の安全を確認する
教則は、事故が起きたときにまず何をすべきかを、3つの手順で示しています。
- 慌てず落ち着いて、ケガの有無やケガの程度など、人の安全確認を第一に行う
- 機体が墜落した場合、通電していれば電源を切るなど、周囲に危険を及ぼさない措置をとる。プロペラがまだ回転している場合は、不用意に機体に近づかない
- 事故の原因究明と再発防止のために、飛行ログ等の記録を残す
事故を通報する
無人航空機の飛行によって人の死傷や第三者の物件の損傷が発生した場合、機体を紛失した場合、または航空機との衝突・接近事案が発生した場合は、事故の内容に応じて警察署や消防署などに直ちに連絡します。あわせて、国土交通大臣への報告も必要です。
ドローン事故発生時にすることの順番
ここまでの内容を、事故発生時の対応の順番として一覧表にまとめました。
| 順番 | すること |
|---|---|
| 1 | 人の安全を確認する(ケガの有無・程度) |
| 2 | 機体の措置をする(通電していれば電源を切る、プロペラ回転中は近づかない) |
| 3 | 飛行ログ等の記録を残す |
| 4 | 警察署・消防署等に連絡し、国土交通大臣に報告する |

一次資料:教則第5版 2.3「事故が起きた時の対応」(2026年9月時点)
ドローンの保険は義務なのか
無人航空機の保険は、車の自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)のような強制保険ではありません。すべて任意保険です。ただし教則は、万一の場合の金銭的負担が大きいことから、保険への加入を勧めています。
保険には、機体に対する保険や賠償責任保険など、いろいろな種類や組み合わせがあります。自機の使用実態に合った保険を選ぶことが推奨されます。
なお、総重量25kg以上の無人航空機を飛行させる場合や、レベル3.5飛行を行う場合は、不測の事態に十分な補償ができる第三者賠償責任保険への加入が求められます。
学科試験ではどう問われるか
第2章「無人航空機操縦者の心得」のうち、法的責任と事故対応の部分は、二等・一等どちらの学科試験でも出題対象です。特に問われやすいのは、次の3点です。
- 刑事責任・民事責任・行政処分の違い
- 事故発生時に通報が必要な事案の種類と、通報先
- 保険が任意であることと、第三者賠償責任保険への加入が必要になる条件
理解度を確認したい方は、分野別クイズ(無料)で操縦者の心得の分野を選んで解いてみてください。通しで力試しをしたい場合は、二等模擬試験(本番形式)もあわせてご利用ください。
よくある質問
ドローンの保険は、法律で加入が義務付けられていますか。
いいえ。強制保険ではなく任意保険です。ただし、総重量25kg以上の機体やレベル3.5飛行を行う場合は、第三者賠償責任保険への加入が求められます。
事故を起こしたら、まず何をすればよいですか。
教則は、慌てず落ち着いて、人の安全確認を最優先にするよう求めています。
どんな場合に、国土交通大臣への報告が必要ですか。
人の死傷、第三者の物件の損傷、機体の紛失、航空機との衝突・接近事案が発生した場合です。
刑事責任・民事責任・行政処分は、どう違いますか。
刑事責任は国から科される罰です。民事責任は被害者への賠償です。行政処分は、技能証明の効力停止などの処分です。事故の内容によっては、3つが同時に問われることもあります。
事故の具体的な罰則(懲役の年数や罰金の額)は決まっていますか。
一次資料には、具体的な年数や金額の記載がありませんでした。事故の内容によって適用される法令が異なるため、個別の事案ごとに判断されます。
まとめ
操縦者は、事故を起こした場合に「刑事責任」「民事責任」「行政処分」を負うことがあります。事故が起きたら、人の安全確認を最優先にし、機体の措置と記録を行ったうえで、必要な機関に通報しましょう。保険は任意ですが、教則も加入を推奨しています。学科試験対策としても、それぞれの違いを正確に理解しておくことが大切です。
出典:無人航空機の飛行の安全に関する教則 第5版(国土交通省)


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