ドローンのレベル3.5飛行とは?要件と立入管理措置との関係をわかりやすく解説

ドローンのレベル3.5飛行の要件と、立入管理措置との関係を解説する記事のアイキャッチ画像。道路のアイコンとロボアシストくんのイラスト、「誤解されやすいレベル3.5飛行、立入管理措置は必要」の文字。 教則ガイド

※本記事は2026年9月時点の情報にもとづいています。制度は変更される場合があるため、実際の飛行・申請にあたっては必ず国土交通省の最新情報をご確認ください。

国土交通省が定める教則には、レベル3.5飛行という飛行区分が定められています。機体に搭載したカメラで安全を確認しながら、道路や鉄道の上空を一時的に横断できる飛行方法です。2023年12月に新設されました。この記事では、教則の記載を基に、レベル3.5飛行の要件と、誤解されやすい立入管理措置との関係を解説します。

レベル3.5飛行の位置づけ

レベル3.5飛行は、山や海水域、河川・湖沼、森林、農用地など、人が少ない場所で行う飛行区分です。教則ではカテゴリーⅡ飛行(レベル3飛行)に含まれると位置づけられています。

まず、既存の飛行レベルを整理します。

ドローンの飛行レベルをレベル1からレベル4まで示した図解。レベル1は目視内での操縦飛行、レベル2は目視内での自動・自律飛行、レベル3は無人地帯における目視外飛行、レベル3.5は道路等の一時的な横断を機上カメラで確認しながら行う飛行、レベル4は有人地帯(第三者上空を含む)における目視外飛行。レベル3.5はレベル3に含まれる区分であることを示している。
レベル 内容
レベル1 目視内での操縦飛行
レベル2 目視内での自動・自律飛行
レベル3 無人地帯における目視外飛行
レベル3.5 レベル3のうち、道路等の一時的な横断を機上カメラで確認しながら行う飛行
レベル4 有人地帯(第三者上空を含む)における目視外飛行

レベル3.5飛行は、あくまでレベル3の枠内にある飛行区分です。レベル4飛行のように、歩行者などの第三者の上空を飛ぶことは認められていません。

従来のレベル3飛行との違い

レベル3飛行とレベル3.5飛行の違いは、無人地帯であることをどう確認するかにあります。

従来のレベル3飛行では、補助者を配置したり、看板を立てたりして、第三者が立ち入らないようにしていました。レベル3.5飛行では、この確認作業の一部を機上カメラに置き換えます。

  レベル3飛行 レベル3.5飛行
無人地帯の確認方法 補助者の配置、看板の設置 機上カメラと地上モニターによる確認
道路・鉄道の横断 原則不可 移動中の車両等の上空を一時的に横断できる
該当カテゴリー カテゴリーⅡ飛行 カテゴリーⅡ飛行

この置き換えによって、道路や鉄道を横切る配送ルートなどでも、補助者を都度配置せずに飛行できるようになりました。

許可に必要な3つの条件

レベル3.5飛行を行うには、教則で定められた3つの条件をすべて満たす必要があります。

レベル3.5飛行の許可に必要な3条件を示した図解。1つ目は機上カメラでの確認で、地上モニター等で飛行経路の直下・周辺に第三者がいないことを確認する。2つ目は技能証明の保有で、目視内飛行の限定を解除した二等以上の技能証明を機体の種類・重量に対応した形で保有する。3つ目は保険への加入で、車両等との接触・交通障害に備えた第三者賠償責任保険に加入する。
  1. 機上カメラと地上モニターなどの設備で、飛行経路の直下と周辺に第三者がいないことを確認できること
  2. 操縦者が、目視内飛行の限定を解除した無人航空機操縦者技能証明(二等以上)を、飛行させる機体の種類・重量に対応した形で保有していること
  3. 車両等との接触や交通障害に備え、十分な補償ができる第三者賠償責任保険に加入していること

この3条件は、レベル3.5飛行の許可を得るための最低ラインです。実際の申請では、これに加えて運航条件やリスク評価をまとめた資料の準備も求められます。

立入管理措置はどうなる?

ドローンアシスト
ドローンアシスト

レベル3.5飛行でも、立入管理措置がなくなるわけではありません。正しく知れば、もっと安全に飛ばせます。

結論から言うと、レベル3.5飛行でも立入管理措置は必要です。無くなるのは、補助者の配置や看板の設置といった、従来の実施方法だけです。

教則には次のように明記されています。

従来求められていた立入管理措置のうち補助者の配置や看板の設置等を機上カメラでの確認に代替するものであり、立入管理措置そのものが不要となるわけではない。

つまり、立入管理措置という仕組み自体は残っています。実施の手段が、人手からカメラに変わっただけです。この点は、解説サイトによって説明が分かれやすい部分です。学科試験の対策としても、正確に押さえておきましょう。

申請方法

レベル3.5飛行の申請は、DIPS2.0(ドローン情報基盤システム)を使った電子申請で行います。

はじめてレベル3.5飛行を申請するときは、事前に地方航空局との調整が必要です。「運航概要宣言書」を航空局に提出し、内容の確認を受けます。この調整は、内容に変更がない限り初回だけで済みます。調整が終わると「航空局管理番号」が発行され、以降のDIPS2.0申請でこの番号を使います。

申請では、飛行させる場所や経路をあらかじめ特定する必要があります。教則でも、飛行範囲とその外周を立入管理区画として地図上に示した資料の準備が求められています。申請可能な期間は最長1年です。

必要書類は、通常のレベル3飛行の申請に比べて簡素化されています。飛行経路図や飛行マニュアルは提出そのものは不要ですが、作成して手元に備えておく必要があります。

レベル3.5飛行でできること

レベル3.5飛行によって、次のような場面での飛行がしやすくなります。

  • 医薬品や物資を配送するときの、道路上空の横断
  • 送電線や鉄道設備を点検するときの、線路上空の横断
  • 農地や森林を調査するときの、農道上空の横断

いずれも、補助者を都度配置する手間が減ることで、より効率的な運航につながります。

学科試験ではどう問われるか

レベル3.5飛行は、教則第5版で新しく追記された内容です。二等・一等どちらの学科試験でも、特定飛行のカテゴリー分類に関する問題の一部として出題される可能性があります。

特に問われやすいのは、次の2点です。

  • レベル3.5飛行はカテゴリーⅡ飛行(レベル3)に含まれること
  • 立入管理措置そのものは不要にならないこと

この記事で説明した違いを、正確に区別できるようにしておきましょう。

理解度を確認したい方は、分野別クイズ(無料)で規制・法令の分野を選んで解いてみてください。通しで力試しをしたい場合は、二等模擬試験(本番形式)もあわせてご利用ください。

よくある質問

レベル3.5飛行に免許は必要ですか。

はい。目視内飛行の限定を解除した、二等以上の無人航空機操縦者技能証明が必要です。

レベル3.5飛行は誰でも申請できますか。

技能証明・保険加入・機上カメラなどの設備という3条件を満たせば申請できます。ただし、飛行させる場所や経路をあらかじめ特定する必要があります。

レベル3.5飛行なら立入管理措置をしなくてよいのですか。

いいえ。補助者の配置や看板の設置といった実施方法が、機上カメラでの確認に置き換わるだけです。立入管理措置という仕組み自体は必要です。

レベル3.5飛行で第三者の上空を飛べますか。

飛べません。認められているのは、移動中の車両等の上空を一時的に横断することだけです。歩行者などの第三者の上空を飛ぶことは、レベル4飛行の領域になります。

レベル3.5飛行の審査にはどれくらい時間がかかりますか。

一次資料には具体的な審査期間の記載がありませんでした。申請前に地方航空局との事前調整が必要なため、余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。

まとめ

レベル3.5飛行は、機上カメラでの確認によって、道路や鉄道の一時的な横断を可能にした飛行区分です。立入管理措置という仕組み自体は、無くなったわけではありません。実施方法が変わっただけ、という点を押さえておきましょう。学科試験対策としても、レベル3飛行との違いを正確に理解しておくことが大切です。

出典:無人航空機の飛行に関する教則 第5版(国土交通省)、国土交通省「カテゴリーⅡ(レベル3.5)飛行のDIPS2.0を用いた電子申請」(https://www.mlit.go.jp/koku/content/001854546.pdf)、国土交通省「ドローン情報基盤システム操作マニュアル レベル3.5飛行等の新規申請方法」(https://www.uafp.dips.mlit.go.jp/contents/req-appl/preview/11.DIPS-Manual_FPA_JP_New-Registration_Lv.3.5.pdf)

コメント