ドローンの航空法違反と罰則とは?操縦者の義務と行政処分も解説

涙を流すパイロットくんが登場する、「航空法違反の罰則 最大2年の懲役 安全確保の措置まで解説」のアイキャッチ画像。 教則・法令コラム

※本記事は2026年9月時点の情報にもとづいています。制度は変更される場合があるため、実際の飛行・申請にあたっては必ず国土交通省の最新情報をご確認ください。

パイロットくん
パイロットくん

罰則ってどれくらい重いんですか。正直こわいです

ドローンアシスト
ドローンアシスト

金額を知るだけでは意味がありません。何を怠ると罰せられるかを知ることが大事です

ドローンが航空法に違反すると、違反行為ごとに罰則が定められています。もっとも重いのは、事故が起きたときに危険防止の措置を怠った場合で、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。

この記事では、教則第5版の罰則表にそって違反行為ごとの罰則を一覧にし、罰則のもとになっている操縦者の義務と、技能証明を持つ人が受ける行政処分についても解説します。

航空法に違反するとどうなるか

無人航空機を飛行させる人が守るべき義務と、違反したときの罰則は、航空法で定められています。教則は、その内容をまとめて解説しています。

義務の重さに応じて、罰則の重さも変わります。もっとも重いのは、事故が起きたときの対応を怠った場合です。もっとも軽いのは、技能証明の携帯忘れや飛行日誌の不備です。

違反行為別の罰則一覧

教則第5版の罰則表では、罰則の重さは6段階に分かれています。

違反行為別の罰則の重さを、懲役を伴う違反・罰金30万〜50万円の違反・罰金10万円以下の違反の3段階に分けて示した図解
違反行為罰則
事故が発生した場合に、飛行を中止し負傷者を救護するなどの危険防止の措置を講じなかったとき2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
登録を受けていない無人航空機を飛行させたとき1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
アルコール又は薬物の影響下で飛行させたとき1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
登録記号の表示やリモートIDの搭載をせずに飛行させたとき/規制対象の空域や方法に違反して飛行させたとき/飛行前の確認をしなかったとき/航空機などとの衝突防止をしなかったとき/他人に迷惑を及ぼす飛行をしたとき/機体認証の使用の条件を超えて特定飛行をしたとき など50万円以下の罰金
飛行計画を通報せずに特定飛行を行ったとき/事故の報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき など30万円以下の罰金
技能証明を携帯せずに特定飛行を行ったとき/飛行日誌を備えずに特定飛行を行ったとき/飛行日誌に記載せず、又は虚偽の記載をしたとき10万円以下の罰金

表の中の「特定飛行」とは、空港周辺や人口集中地区の上空、夜間、目視外など、航空法で規制されている空域・方法での飛行のことです。対象となる空域は飛行禁止区域の一覧、対象となる方法は承認が必要な飛行の方法で解説しています。

懲役と罰金は「どちらか一方」

懲役と罰金は「又は」で結ばれています。どちらか一方が科されるのであって、両方が同時に科されるわけではありません。

「懲役」と「拘禁刑」の表記について

「懲役」は、身柄を拘束する刑罰の名称です。2025年6月1日に施行された改正刑法により、「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化され、航空法の条文も「拘禁刑」の表記に改められています。

一方、教則第5版の罰則表は、この記事の執筆時点(2026年9月)でも「懲役」の表記のままです。この記事では教則の表記に合わせて「懲役」と書いています。

罰則のもとになっている操縦者の義務

罰則は、義務に違反した結果として科されるものです。教則では、守るべき義務が「無人航空機の操縦者等の義務」としてまとめられています。主なものは次のとおりです。

操縦者が守るべき6つの義務(飲酒・薬物の影響下で飛行しない、飛行前に機体・周囲を確認する、航空機等との衝突を予防する、他人に迷惑を及ぼす飛行をしない、特定飛行前に飛行計画を通報する、特定飛行時は飛行日誌を携行・記載する)を示したチェックリスト図解
  • アルコールや薬物の影響下で飛行させないこと
  • 飛行前に機体や周囲の状況を確認すること
  • 航空機や他の無人航空機との衝突を予防すること
  • 他人に迷惑を及ぼす方法で飛行させないこと
  • 特定飛行を行う前に、飛行計画を通報すること
  • 特定飛行を行う場合は、飛行日誌を携行し、必要事項を記載すること

罰則の一覧は、違反行為と金額の対応表に見えます。しかし実際には、これらの義務を守っているかどうかが、罰則を受けるかどうかの分かれ目です。

事故が起きたときに操縦者が負う義務

事故が起きたとき、操縦者の義務は大きく2つあります。

  1. 飛行を中止し、負傷者を救護するなど、危険を防止するための措置を講じること
  2. 国土交通大臣に事故を報告すること

報告を怠ったり、虚偽の報告をしたりすると、30万円以下の罰金の対象になります。一方、もっとも重い罰則(2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)が科されるのは、1つ目の危険防止の措置を怠った場合です。この2つは分けて理解しておきましょう。

事故の報告が必要になるケースや、民事上の損害賠償については、事故の報告義務と損害賠償保険で解説しています。

技能証明を持つ人は行政処分の対象にもなる

技能証明を持っている人は、罰則とは別に、技能証明の取消しや効力の停止といった行政処分の対象にもなります。

行政処分は点数制です。違反の内容ごとに点数が決まっており、その点数に応じて処分が決まります。たとえば、事故が起きたときに危険防止の措置を講じなかった場合や、アルコール・薬物の影響下での飛行は15点、飛行前確認や衝突予防の措置を行わなかった場合は14点とされています。

小型無人機等飛行禁止法は別の法律

ここまで解説した罰則は、いずれも航空法にもとづくものです。ドローンの飛行を制限する法律は、航空法だけではありません。

国会議事堂や空港などの重要施設の周辺では、「小型無人機等飛行禁止法」という別の法律で飛行が規制されています。航空法の許可・承認を受けていても、この法律の規制は別に守る必要があります。

よくある質問

教則の罰則は「懲役」と「拘禁刑」のどちらの表記ですか

教則第5版の罰則表では「懲役」という表記が使われています。2025年6月1日に施行された改正刑法で「拘禁刑」に一本化され、航空法の条文も改められていますが、教則の記載はこの記事の執筆時点で更新されていません。

もっとも重い罰則は何ですか

事故が発生した場合に危険防止の措置を講じなかったときの、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。

懲役と罰金は、両方いっぺんに科されますか

科されません。罰則の規定では懲役と罰金が「又は」で結ばれており、どちらか一方が科されます。

飛行日誌の記載を忘れただけでも、罰則の対象になりますか

特定飛行を行う場合は対象になります。飛行日誌を備えずに特定飛行を行った場合や、記載すべき事項を記載しなかった場合は、10万円以下の罰金の対象です。

罰則を避けるために、まず何を確認すればよいですか

計画している飛行が特定飛行にあたり、許可や承認が必要かどうかの確認です。必要な手続きを済ませたうえで、飛行前の確認や飛行計画の通報といった義務を一つずつ守ることが大切です。許可・承認が不要になる条件は、許可・承認が不要になる例外ケースで解説しています。

小型無人機等飛行禁止法の罰則も、同じ内容ですか

異なります。小型無人機等飛行禁止法は航空法とは別の法律で、罰則も別に定められています。

まとめ

ドローンが航空法に違反すると、違反した義務の重さに応じて、6段階の罰則が科されます。もっとも重いのは、事故が起きたときの危険防止の措置を怠った場合です。技能証明を持つ人は、罰則に加えて行政処分の対象にもなります。

罰則の金額を覚えるだけでなく、飛行前の確認や飛行計画の通報といった日々の手順を、一つずつ守ることを心がけましょう。

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出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則」第5版(罰則・行政処分等)、航空法

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